02'01/24記 | ||||||
視力が、その方の必要とする以上には、通常の屈折補正だけでは得られないケースは多いと思われ ます。 その際、ロービジョン処方が必要となりますが、その手法は大きく2つに分かれ 1.ターゲットを、拡大させる方法。(拡大鏡の使用) 2.ターゲットを、眼前に近づける方法。(メガネの使用) 2.について更に a.単焦点による近用専用メガネ。 b.2重焦点レンズによる遠近両用メガネ。 c.跳ね上げ(アルバイト)枠を使った遠近両用メガネ。 に分けられます。(1.は、かなり細かく分かれる) 今回は、a.について(計算プログラムは、こちら)ご説明致します。 a.について 例をあげ手順を説明すると・・・ 1.どのくらいの大きさのターゲットを見たいのか、そのターゲットはどのくらいの近点視力表の 指標に相当するのか確認。
2.完全矯正値に、S+3.00を足して近点視力表で視力測定。
3.必要視力を得れる近業作業距離を算出。 近業作業距離 = 視力 / 必要視力 × 近点視力表測定距離 にて算出。
4.加入度数を算出。 調節力を考慮しない加入度数は・・・ 調節力を考慮しない加入度数 = 1 / (近業作業距離<m> − 頂間距離<m>) にて算出でき 調節力を考慮して、調節力を1/2使うとすると、更に・・・ 調節力を考慮して、調節力を1/2使う加入度数 = 調節力を考慮しない加入度数 − 調節力 / 2 にて算出できます。
5.両眼視する場合 片眼視の場合は、輻輳・インセットの概念はほとんど必要ないのですが、両眼視する場合近距離 での近業作業距離になると、輻輳は相当な量に及びます。 インセット量は・・・ インセット量 = 遠用PD・(角膜から眼球の回旋軸 +頂間距離)/ (角膜から眼球の回旋軸 +近業作業距離) にて算出できます。
現実的なインセット量は、せいぜい5.0mmまでがいっぱいと思われ、それ以上は酷な輻輳と言える と思います。 酷な輻輳をさせずに両眼視させるには、プリズムBIを付加します。 プリズム量は、三角関数を用いると計算しやすくなります。
しかし、例にもあるように強プリズムが必要となる為、製作が出来ない等の問題があり、装用テストを 充分に行って、装用可能か確認し妥協した処方を行うのがほとんどとなると思われます。 (片眼視の方が楽、と言うケースも充分に考えられます) 両眼視させる際は、 1.枠(FD)を、出来るだけ小さく。 2.レンズは球面品種を使用、径は出来るだけ大きく外側ギリギリいっぱいで枠取り。 3.プリズム量は、製作限界量で指定。 と、言うケースが、必然的に多くなると思われます。 尚、頂間距離を短くするると、加入度数もプリズム量も場合によっては大幅に減少します。 したがって、 頂間距離の調整は出来る限り近づけたく大変重要となります。 |